LTspiceによるパラメトリック解析:ガウス法gauss(X)

LTspiceによるパラメトリック解析の方法は、下記の通り
◆.step param :パラメータスイープ, ※3素子までの制約あり(3階層まで)
◆mc(x, y)      :分布のX*(1+y)からX*(1-Y)間の乱数(モンテカルロ法)
◆gauss(X)     :標準偏差xの正規分布からの乱数
◆.func           :部品ばらつきをユーザ定義関数で定義
 
◆gauss(X)  を用いてLTspiceによるパラメトリック解析の方法
各部品のばらつきを考慮した解析、いわゆるパラメトリック解析をLTspice上で実現する方法を記載します。
ばらつきが正規分布に従うものと仮定した場合に、gauss関数を使用。
回路とコマンドは下記のようなイメージ
 
 
【各部品の設定】
ここでは、インダクタンスばらつき=20%、コンデンサばらつき=10%。
なお、設定できる.stepコマンドで試行回数を指定します。
ツールバーの[TEXT]から設定します。
 
.step param X 0 99 1
上記設定にて、0から99までの100回試行を定義します。
 
{2.2u +gauss(0.3745u)}
ガウス関数を使用するには標準偏差を入力しなければなりません。
2.2uは中心値、0.3745uが標準偏差σ
ここで標準偏差σは2.2uHの±20%に相当する0.88uHをガウス関数の半値幅と定義します。
※2.2uH*0.4=0.88uH
 
半値幅とσは、
σ=半値幅/2.35
で得られます。また、統計的にはインダクタンスが2.2uH±0.3745uHに入る確率が約68%
コンデンサ(±10%)も同様に10nF±0.1157nFとします。
 
【解析結果】
をクリックして解析を実行する。
 
 
・Logファイルの確認
.setp paramで試行ステップを確認できますが、各部品値の諸元まではガウス関数を適用した方法でも判明できません。(ワースト条件などの値がわからない)

 

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